コラム
のどの病気
嗄声(させい)
 嗄声(させい)というのは、かすれ声のことです。
 声のかすれは風邪をひいても自覚することがあります。
また前にも書きましたように声帯ポリープや声帯結節、ポリープ様声帯でも起こります。さらに喉頭癌や下咽頭(ノドの奥、喉頭の後ろ)癌でも起こります。

 しかし、嗄声を生じる病気はこれだけではありません。少なくともどちらか片方の声帯の動きが悪くなれば声はかすれます。声帯を動かす神経は脳から出てきて首を通り、一度胸の中に入ります。そして大動脈などの大きな血管の下をくぐって、食道と気管の間を首の方へ上がってきて、喉頭へ入ります。
 この神経の道筋に何かが起こると麻痺をおこして声帯の動きが悪くなり声がかすれるわけです。
 この道筋のなかで耳鼻科の病気としては首(頸部)の腫瘍が重要です。神経自体の腫瘍もあります。また口腔、咽頭、喉頭などの癌の頸部リンパ節転移にも注意が必要です。さらに甲状腺癌が直接神経を侵していることもあります。

 このように声のかすれと言ってもその原因は様々で、上に述べたようなことを考えながら丁寧に診察していかなければなりません。
 風邪によるものであれば、多くの場合は一週間くらいで次第によくなりますが、腫瘍によるものは基本的に自然によくなることはありません。
 少し様子を見ていても声のかすれがよくならない場合は、ファイバースコープ等で直接喉頭の観察を行う必要があります。