今年のスギ、ヒノキ花粉の傾向と初期治療のおすすめ
2021年2月3日
2月3日、今日は立春です。まだ寒い日も多いですが、暦の上では春ということになります。
春になると、花粉症の方にとっては辛い季節で、あまり嬉しくないと思う人も多いのではないでしょうか。
今年のスギ、ヒノキ花粉の予想をお知らせします。まず、スギ花粉が飛び始める時期についてです。今年の2月は例年より気温が高めの予想になっています。気温が高い年は、花粉が飛び始めるのが早くなる傾向があります。阪神間のスギ花粉飛散開始日(1個/㎠以上の花粉が2日連続観測された1日目)は2月中旬ころが多いとされています。したがって、今年はそれより少し前の可能性があります。
次に、花粉の飛散量についてです。前年の7月頃の気温と日照時間と関係があると言われています。昨年は気温がさほど高くなく、比較的雨が多かったことで、花粉量は過去10年の平均に比べると少ない、昨年の花粉量と同じ位か、やや多い程度と予想されています。
花粉症の方にとってはコロナ自粛が長引いて憂鬱なことが多い中で、少し明るい情報かもしれません。
しかし、花粉は少なくても症状は出ますので、対策はしっかり行ってください。実際、先週から花粉の症状が少し出て来たと言って受診される方が見られます。もちろん、花粉飛散開始にはなっていませんが、わずかに花粉が飛ぶ日が時々出てくると、敏感な方はそれに反応する場合があります。
花粉症の薬は、症状がひどくなってから内服しても十分な効果が出ない場合があります。ですから、花粉が本格的に飛び出す少し前から薬を使うことをお勧めします。これを初期治療と言います。初期治療を行うことによって、強い症状が出るのを遅らしたり、ピークの時の症状を軽くしたりすることが、データとして示されています。
先程、今年は花粉の飛び出しが例年より早い可能性があることを、お知らせしました。そのことを考えると、そろそろ準備を始めた方がよいと思われます。
鼻をかんだり、くしゃみをすると何となく人目が気になります。また、花粉症の鼻の症状がひどくなると、口呼吸になりやすいです。そのためにウイルスが直接ノドに入って来やすくもなりますし、目が痒くて目をこすると目からのウイルスの侵入の可能性もあります。
新型コロナウイルス感染症が収束していない今年は、花粉の量が少なくても例年以上にしっかり対策をすることが、ウイルスの侵入を予防することにも繋がるとも考えられます。
実際の花粉症のセルフケアや治療については、当院のHPの「鼻の病気」の項目で詳しくご説明していますので、是非ご覧いただき参考にしてください。