緊急事態宣言時の受診のタイミング
2021年1月24日
お正月が終わってしばらくたちますが、今年は大勢集まって賑やかに過ごすことができない、特別なお正月だったことと思います。
さて、それにもかかわらず、コロナの患者数は増加し、兵庫県にも1月14日に再び緊急事態宣言が発出されました。今はマスク、手洗い、密を避け、不要不急の外出を控えることを、一人一人心掛ける以外にないと思われます。コロナ疲れもあると思いますが、自分が感染しないため、そして自分が感染源になって人に感染させないためにも、今一度上記の徹底をお願いいたします。
ところで、今の時期はノドの痛み、鼻水、あるいは耳の痛みなどの症状の場合に、家で我慢する方も多いのではないでしょうか。
医療機関を受診してコロナに感染するのではないかと心配されるのも、もっともなことでしょう。しかし、あまり我慢しすぎると、その後の治療が長くなったり、治りが悪いこともあります。
耳鼻科の病気では中耳炎、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎などはいずれも発熱の可能性もあり、また痛みが出る病気です。
治療が遅くなると、中耳炎では難聴が残ることもあります。また、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎では痛みで食事ができなくなることもあります。もっと炎症が強くなると、急性扁桃炎に引き続いて扁桃の周囲に膿がたまる扁桃周囲膿瘍、急性喉頭炎では喉頭の腫れが強くなると呼吸に通路が狭くなって息が苦しくなることもあり、緊急処置が必要になる場合もあります。
さらに、ノドの痛みの場合には、炎症性疾患だけでなく、悪性腫瘍でも飲み込む際に痛みを感じるものもあります。
したがって、3日~5日程度様子を見て、あるいは市販のかぜ薬などを使用していても、症状が改善しない場合は、医療機関を受診することをお勧めいたします。
かぜ薬を使用していると、中に含まれる炎症を抑える成分で熱が実際より低くなる場合もありますので、熱があまりなくても他の症状が続く場合は要注意です。
当院も含めてどの医療機関でも感染対策を十分に行っています。コロナの感染も心配ですが、病気が重症化しないうちに適切なタイミングで早めに受診されることが大切です。当院ではコロナの疑いのある方は、別の時間に来ていただき、他の方とはできる限り接触することがないようにしています。