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睡眠時無呼吸症候群(睡眠時無呼吸症候群)-息苦しさや不眠、日中の眠気の原因かも?-

睡眠時無呼吸症候群の大きな特徴として、睡眠時の大きないびきがあげられます。
しかし実際にはいびき以外でも睡眠中に呼吸が止まっている場合があります。

例えば、「朝起きたときに頭が重い」「日中に強い眠気がある」「寝ても疲れが取れない」
こんな症状に悩まされていませんか?これらは睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることで、睡眠の質が低下し、さまざまな不調を引き起こす病気です。
本人は気づきにくいですが、適切な治療を受けないと生活の質(QOL)の低下や重大な健康リスクにつながることもあります。
本記事では、息苦しさや不眠、日中の眠気に焦点を充てた睡眠時無呼吸症候群についてご紹介します。

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群の原因としては下記のようなものが原因の場合が多いです。

1肥満
肥満は睡眠時無呼吸症候群の最も一般的な原因です。
首や喉、舌の周りに脂肪が蓄積すると、気道が圧迫されて狭くなり、呼吸がしにくくなります。
特に首回りの脂肪(頸部脂肪)は、仰向けで寝たときに重力の影響で気道をさらに圧迫し、無呼吸を引き起こしやすくなります。

肥満が原因の睡眠時無呼吸症候群の特徴
✓首回りの脂肪が多く、仰臥位で寝たきに気道が狭くなる
✓体重が増えるにつれて、症状が悪化する
✓減量によって症状が改善することが多い

2扁桃肥大
扁桃は、咽頭の左右にあるリンパ組織で、大きくなると気道をふさぎやすくなります。

特に小児の睡眠時無呼吸症候群は、扁桃肥大やアデノイド肥大(鼻の奥にあるリンパ組織の肥大)が原因であることが多いです。

扁桃肥大が原因の睡眠時無呼吸症候群の特徴
✓小児の場合、無呼吸のほとんどが扁桃肥大やアデノイド肥大によるもの
✓大人でも扁桃が大きいと、気道が狭くなり無呼吸を起こしやすい
✓風邪をひくと症状が悪化する(扁桃の炎症でさらに腫れる)

3鼻づまり
鼻が詰まると、口呼吸になりやすくなり、舌や軟口蓋(上あごの奥の軟らかい部分)が喉に落ち込んで気道が狭くなるため睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因になります。
特に以下のような鼻の疾患がある場合、睡眠中の呼吸が妨げられやすくなります。

鼻づまりが原因の睡眠時無呼吸症候群の特徴
✓アレルギー性鼻炎(ダニ・花粉症などによる慢性的な鼻詰まり)
✓慢性副鼻腔炎(ちくのう症)(鼻の奥に膿がたまり、気道が狭くなる)
✓鼻中隔弯曲症(鼻の左右の仕切りが曲がっているため、片方の鼻が常に詰まりやすい)

4加齢
年齢を重ねるとのど周りの筋肉が衰え、気道を支える力が弱くなるため、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすくなります

加齢が原因の睡眠時無呼吸症候群の特徴
✓40歳以降になると発症率が上がる
✓特に閉経後の女性はリスクが高まる(女性ホルモンの減少により筋肉の衰えが加速)
✓のどの筋肉が弱くなると気道が塞がりやすくなり、無呼吸の回数が増える

5小顎症(顎が小さい)
顎が小さいと、舌の収まるスペースが狭くなり、寝ている間に舌が喉に落ち込みやすくなります。その結果、気道が塞がれ、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。
特に下顎が後ろに引っ込んでいる(下顎後退)場合は、仰向けで寝ると気道が閉じやすくなります。

小顎症が原因の睡眠時無呼吸症候群の特徴
✓顔立ちが小さい人や、顎が細い人に多い
✓仰向けで寝ると無呼吸が悪化する(重力で舌が落ち込む)
✓歯並びが悪く、口呼吸になりやすい

いびき以外の症状

睡眠時無呼吸症候群になると、いびき以外にも「朝起きたときに頭が重い」「日中に強い眠気がある」「寝ても疲れが取れない」などの原因となります。

途中で何度も目が覚める(中途覚醒)

睡眠時無呼吸症候群の患者は、無意識のうちに呼吸が止まり、酸素不足に陥るため、脳が覚醒して呼吸を再開させようとします。
この覚醒が一晩に何十回、中には100回以上も発生することがあり、睡眠が分断される原因となります。

中途覚醒の特徴
✓寝ている途中で何度も目が覚める(呼吸が苦しくなっていることが多い)
✓トイレが近くなる(交感神経が刺激され、夜間頻尿が起こりやすい)
✓再入眠しづらくなる(覚醒が繰り返されることで、眠りが浅くなる)

熟睡できず、疲れが取れない(熟眠障害)
本来、睡眠には深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)のサイクルがあります。しかし、睡眠時無呼吸症候群の患者は無呼吸によって脳が頻繁に覚醒するため、深い眠りに入れません。
その結果、朝起きたときに「ぐっすり寝た感じがしない」「疲れが取れない」と感じやすくなります。

熟眠障害の特徴
✓長時間寝ても、疲労感が残る
✓目覚めが悪く、すっきりしない
✓朝起きたときに頭が重い、または痛い

夜間の息苦しさと不安感
睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠中に十分な呼吸ができないため、無意識のうちに息苦しさを感じることがあります。
特に、無呼吸の直後に「ハッ」と息を吸う感覚や、寝汗をかく、動悸がするなどの症状が出ることがあります。
また、無意識のうちに「寝るのが怖い」「うまく寝られない」という不安感を抱くようになり、不眠が悪化するケースもあります。

夜間の息苦しさの特徴
✓寝ている最中に「息苦しさ」を感じる
✓突然目が覚め、動悸がする
✓寝汗を多くかく(酸素不足による交感神経の活性化)

日中の強い眠気と集中力の低下


夜間に深い睡眠がとれないと、日中の眠気が強くなります。
特に、会議中や仕事中、運転中に急激な眠気に襲われることがあり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
重症度が高い場合、「マイクロスリープ(数秒間の意識喪失)」が起こることもあり、交通事故や作業ミスのリスクが高まるため注意が必要です。

日中の眠気の特徴
✓午前中から眠気が強い(特に朝食後や昼食後)
✓仕事中や会議中にウトウトしてしまう
✓運転中に意識が飛ぶことがある(非常に危険)

朝の頭痛や頭の重さ


睡眠時無呼吸症候群の患者は、夜間の無呼吸により酸素不足になるため、起床時に頭が重く感じることがあります。
特に、寝起きの頭痛は、酸素不足による血管の拡張や、睡眠の質の低下が原因となります。

朝の頭痛・頭重感の特徴
✓起きた瞬間から頭が重い
✓午前中は頭がぼーっとする
✓日中のパフォーマンスが低下する
これらの症状に心当たりがある場合は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群の診断と治療について

診断の流れ
まず、耳鼻咽喉科で鼻やのどなど気道の状態を確認し、構造的な異常がないか診察します。その後、無呼吸の程度を評価する検査を行います。
この検査では、専用の測定装置を装着して一晩寝ることで、睡眠中の呼吸状態を記録します。当院では携帯型の検査機器を貸し出し、自宅で測定してもらうことが可能です。

無呼吸低呼吸指数(AHI)とは?
検査結果は無呼吸低呼吸指数(AHI)によって評価されます。
AHIとは、10秒以上呼吸が止まる、または極端に浅くなる状態が1時間あたりに何回発生しているかを示す数値です。
✓AHI5以上→SASと診断される可能性がある
✓AHI15以上→治療が必要となる場合が多い
睡眠時無呼吸症候群の症状やAHIの数値に応じて、適切な治療法を選択することになります。

睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療は、気道を広げて呼吸をスムーズにすることを目的とします。
症状の程度や原因に応じて、以下のような治療法が選択されます。

①外科的手術(気道をふさぐ原因を取り除く)
扁桃やアデノイドが大きく、物理的に気道を塞いでいる場合は、手術によって取り除くことで呼吸の通りを改善できる可能性があります。
特に、小児の睡眠時無呼吸症候群は扁桃肥大が原因であるケースが多く、手術により症状が改善することが期待されます。

②マウスピース(口腔内装置)
軽度の睡眠時無呼吸症候群に適した治療法として、マウスピース(口腔内装置)を使用する方法があります。
これは下顎を少し前方に出すことで、舌の落ち込みを防ぎ、気道を確保する仕組みです。

マウスピース治療の特徴
✓軽度の睡眠時無呼吸症候群に適応(中等度以上では効果が不十分なことも)
✓手軽に始められ、持ち運びができる
✓歯科医による調整が必要(合わないと顎に負担がかかることも)

③CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)は、睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療法で、鼻に装着するマスクを通して空気を送り、気道を広げる装置です。
CPAPを使用すると、睡眠中に気道が塞がるのを防ぎ、無呼吸や低呼吸を大幅に減少させることができます。

CPAP療法の特徴
✓中等度以上の睡眠時無呼吸症候群に最も効果的
✓欧米では第一選択とされている治療法
✓治療を続けることで、日中の眠気や疲労感が大幅に改善される
ただし、CPAPは毎晩使用する必要があり、機器の装着に慣れるまでに時間がかかる場合があります。
睡眠時無呼吸症候群は適切な治療を受けないと、睡眠の質を下げ、生活の質(QOL)の低下や重大な健康リスクにつながることもあります。
もしかしたらと感じたら是非一度ご相談ください。
CPAPや口腔内装置は、それ自体が根本的治療になるわけではありません。そのため、これらの治療を行いながら体重管理や鼻疾患治療も適宜行うことが大切です。
体重管理については、自分で無理なダイエットを行うと様々な体調不良を招くことがあり危険です。内科の主治医と相談しながら行ってください。
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    補聴器相談は、日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医である石田恭子医師と認定補聴器技能者が補聴器相談を行っています。 まず、一般の診察を受けていただき、聴力検査など必要な検査を行って、補聴器が必要かどうかを判断いたします。その上で補聴器相談外来に予約いたします。 なお、補聴器相談の予約はWeb予約ではできません。ご了承ください。