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花粉症の新たな治療薬 ゾレアについて

2022年2月11日

2月も中旬になり、イやな花粉症の時期が近づいてきました。

現在、西宮市ではスギ花粉飛散はまだ観測されていません。通常は2月後半、2月20日頃が飛散開始になることが多いと言われています。

今年の花粉飛散量は、昨年よりはやや少なく、一昨年より多い、過去10年のほぼ平均位と予想されています。したがって、極端に少ないわけではなく、しっかり対策して下さい。

一般的に、花粉飛散開始の少し前から抗アレルギー薬を使用する(初期治療)が勧められており、そろそろ初期治療を始めて下さい。

 

さて、もともと花粉症の症状が強く、通常の抗アレルギー薬では症状が改善しない方にはゾレアという治療薬(皮下注射)があり、以下に説明します。

ゾレアは、もともと気管支喘息で使用が始められ、蕁麻疹での使用が認められました。そして、2020年から花粉症(スギ花粉症)での適応が追加されています。

ゾレアは抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤です。つまり、ヒトのIgE抗体の働きを特異的に抑えます。したがって、スギ花粉をはじめとしたアレルギーの原因物質がIgE抗体に結合し難くして、アレルギー反応を抑制し、症状を出にくくします。(ゾレアは舌下免疫療法のように、根本的な治療ではありませんが、スギ花粉だけでなく、ヒノキ花粉など、他の抗原にも効果が期待できます。

これまでの花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の治療は、抗アレルギー(ヒスタミン)薬などの内服薬、点鼻ステロイドが主体で、レーザー治療が行われることもあります。また、根本治療としてスギ花粉舌下免疫療法も行われています。

そして、ゾレアはこれらとは別のもう一つの治療戦略といえます。

ゾレアは以下のような場合に適応になります。

・スギ花粉特異的IgEがクラス3以上の、重症、最重症の方

・ゾレア使用前に1週間は通常の抗アレルギー剤の治療を行い、症状が改善しない方

(ゾレア使用中も従来の治療は継続する。)

スケジュール 1回目受診:重症、最重症スギ花粉症と診断

既存治療を少なくとも1週間

2回目受診:既存治療で効果不充分

総IgE測定

3回目受診:ゾレアの投与量決定

投与間隔は2瞬間毎、または4週間毎

ゾレアの薬剤費用が高額であることが、難点と言えます。(血性総IgE値と体重で投与量が決定されます。)

投与量によって高額療養費制度の対象となる可能性があります。

ゾレアの詳しい説明は下記URLからご覧になれます。

【オマリズマブ(季節性アレルギー性鼻炎)】
https://hajimete-xolair.jp/xolair/mechanism/index.html

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