2025年春の花粉症情報
2025年1月22日
1月も後半になり、あと1か月するとスギ花粉の飛散開始になります。
先日、東京でスギ花粉が観測された、という報道がありました。これは、スギ花粉が今年初めて患側された、初観測日だったと考えられます。
花粉飛散開始日は、1㎠に1個以上の花粉が2日連続した観測された1日目と定義されています。したがって、初観測日の後に、少量の花粉が観測される日が時々あり、その後飛散開始日になり、本格的な飛散になっていきます。
現在のところ、近畿地方でスギ花粉が観測された、という報告はありません。
近畿地方のスギ花粉の飛散開始は2月後半、3月初めから中頃がピークで、その後徐々に減少します。しかし、3月中頃からヒノキ花粉が飛散開始になり、4月初めから中頃にピーク、5月初めに飛散終了になる、というパターンが一般的です。
さて、今年の花粉飛散予報はどうでしょうか。
昨年の夏は気温が高く、日照時間も長かったため、スギの雄花の花芽の着花率は高いことが観察されています。したがって、今年のスギ花粉の飛散量は非常に多く、過去10年間の平均の約2倍、昨年の約3~4倍と予想されています。
花粉症の予防
<花粉を避ける>
1 顔にフィットするマスク、メガネの装着
2 花粉飛散の多い時間帯(昼前後と夕方)の外出をできれば避けましょう
<花粉を室内に持ち込まない>
1 花粉が付きにくく露出の少ない服装を心がけましょう
ウールのように毛羽立った素材の物より、表面がツルッとしたものの方が花粉の付着が 少ない傾向です。また、家に入る前に、衣服に付いた花粉を払い落としてください。
2 手洗い、うがい、洗顔、などで花粉を落としましょう
3 換気方法を工夫しましょう
窓を大きく開けると、花粉が室内に入ります。窓を開けて換気をするのは必要最小限にした方が良いでしょう。喚起する場合は、花粉の比較的少ない朝の時間帯がおすすめです。
4 洗濯物や布団の外干しを控えましょう
花粉症の治療は?
1 対症療法
抗ヒスタミン薬をはじめとした内服薬、点鼻薬(点鼻ステロイド)、点眼薬などです。
内服薬には多くの薬があります。効果、眠気などの副作用も個人差が非常に大きいです。それぞれの人の症状の種類、強さ、あるいはライフスタイルなど様々なことを考慮して薬を選択します。
[ 受診のタイミング ]
毎年花粉症の症状が出る方は、本格的な花粉飛散開始の1~2週間前までには、医療機関を受診して薬の使用を開始しましょう。
近畿地方のスギ花粉飛散開始が2月後半であることを考えますと、2月初めころから薬を使い始めるのが良いと思います。このように花粉の本格的な飛散前から治療を開始することで、症状が出るのを遅らせたり、ピーク時の症状が抑えられることがわかっています。
花粉の大量飛散の年は多くの方が花粉症を発症することが報告されています。これまで花粉症と診断されていなくても、くしゃみ、鼻水などの花粉症と思われる症状が出た方は、早めに医療機関で花粉症かどうか診断を受けましょう。
2 スギ花粉舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
この治療は、スギ花粉の成分が含まれた薬剤を毎日服用します。花粉の成分に体が慣れるようにして、スギ花粉に対するアレルギー 反応が発生しないようにするための治療法です。
唯一根本的な治療と言えます。
ただし、花粉飛散中に開始すると副反応が出やすいため開始できません。ご希望の方は、今年の花粉シーズン終了に開始するのがお勧めです。