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甲状腺の炎症・腫瘍

甲状腺の炎症・腫瘍について

 甲状腺は首の前方で、のどぼとけのすぐ下にあり、ハート型をして、気管の表面を取り囲むように存在しています。
甲状腺は食物(おもに海藻)に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺ホルモンには新陳代謝のを促進する作用があり、胎児の発育や子どもの成長にも重要です。
甲状腺疾患は甲状腺(首ののどぼとけの下)の腫れとして気付かれる場合がほとんどです。

I 甲状腺の非腫瘍性疾患

 甲状腺ホルモンが過剰な状態を甲状腺機能亢進症と言い、バセドー病とも言われます。甲状腺ホルモンの産生を抑制する薬を内服して、甲状腺ホルモンの値を調節して治療します。
一方、甲状腺ホルモンが少ない状態は甲状腺機能低下症と言い、慢性甲状腺炎(橋本病)などがよく知られています。この場合は甲状腺ホルモンを補う薬で治療します。
また、甲状腺が腫れて痛みがあり、しばしば発熱も見られる、亜急性甲状腺炎という病気もあります。

Ⅱ 甲状腺腫瘍

 甲状腺腫瘍は多くの場合は自覚症状はありませんが、甲状腺の一部に比較的硬い腫瘤として触知することができます。腫瘍が大きくなると首の前の腫れとして外見上容易に確認できるようになります。
甲状腺腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性、悪性など腫瘍の診断には注射器で腫瘍細胞を少量採取して細胞診(穿刺吸引細胞診)を行い、またCTなど画像診断も行われます。
治療としては手術が第一選択ですが、最近ではサイズの小さく、自覚症状の強くない良性腫瘍に関しては、経過観察となる場合が多くなっています。一方、悪性腫瘍には乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、低分化癌、未分化癌、など様々な癌が知られており、それぞれ異なる性状です。
癌の場合には頸部リンパ節転移や遠隔転移を来す場合もありますので、治療に際してはこのような点のチェックも必要です。治療はやはり手術で癌を含めた甲状腺を摘出すること、また頸部リンパ節転移がある場合にはリンパ節の郭清術を行います。
甲状腺癌でもっとも大いのは乳頭癌で、甲状腺癌の約90%と報告されています。乳頭癌は比較的は予後良好で、完全に摘出すれば治癒となる症例が多いと考えられています。しかし、癌である以上、治療後定期的な経過観察が必要です。

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